家賃と遺産について

相続開始前の家賃

相続開始前の家賃は,賃貸不動産を所有していた被相続人の相続財産に含まれます。通常,借主が貸主である被相続人の普通預金口座に毎月家賃を振り込んでおり,その普通預金債権は相続財産に含まれ,遺産分割の対象となります。

普通預金債権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となります(最大決平成28年12月19日)。

相続開始後から遺産分割成立前の家賃

相続開始後から遺産分割成立前の家賃は,遺産とは別個の財産であり,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得します(最一小判平成17年9月8日)。

つまり,相続人の方は,自分の法定相続分に応じた分の家賃を自分のものであると言えるのです。

もっとも,相続人全員の合意により家賃を遺産分割の対象とすることはできます。実務でも,回収の手間や借主への説明を考慮して,家賃を遺産分割の対象にしてその帰属を決めることが多いといえるでしょう。

遺産分割成立後の家賃

遺産分割成立後の家賃は,相続財産に含まれません。

遺産分割で当該賃貸不動産を取得した相続人が,遺産分割成立後の家賃を取得することになります。

Last Updated on 12月 7, 2022 by takajo-souzoku

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